2015年3月31日火曜日

ベガルタン、経営戦略を考える

今朝の地元紙に興味深い記事が掲載されていた

宮城県はサッカーJ1仙台が2014年に県内に与えた経済効果は21億円で、統計を取り始めた06年以降で最低だったとの試算を発表した。ホームゲームの年間観客数が28万591人と、過去ワーストだったことなどが影響した。
 入場料、交通費、飲食費、グッズ購入などによる直接効果が前年比1億円減の13億円、直接効果から生じる各産業への波及効果は1億円減の8億円だった。
 観客数は残留争いを繰り広げたリーグ終盤に増やしたが、序盤に伸び悩んだため、1試合平均は過去3番目に低い水準。ホームゲーム数も、アジア・チャンピオンズリーグの3試合があった前年より1試合減り20試合だった。
 観客1人当たりの消費額(日帰り客)は4654円で前年比42円の増。
(以上、河北より転載)

何がショックって、リーマンショックいう、何百年に一回あるかないかの経済危機や、大震災という千年に一度あるかないかという未曾有の天変地異が起こった年よりも、昨年は、ほぼ全ての数字で過去ワーストだったことであります。だからこそ、声を大にして言います「アーノルドの呪いは、半端ねぇーーから!!」と。

手倉森が去り、否が応でもチーム変革の時期に差し掛かっていたベガルタは、シーズン中にもかかわらず、アーノルドを監督に招聘しました。翌年には長年社長を務めて来た中興の祖である白幡氏も、チームを去る事が(自身が決めた定年制の為)何気に分かっており、まさに2014年はチーム変革元年とも言えるシーズンです。アーノルドの戦術は、素人目に「同じ4バックだし、前線からのチャージが少なくなったけど、その分自陣でブロックを組み、相手の攻撃を弾き返す・・・そんな大きな変革じゃないから、メンバーも変わってないし、大崩れはしないんじゃないか・・・」みたいな感じに思っていたら、シーズンが開幕したら・・・地獄の一丁目に連れて行かれましたな。

特に、昨年は2連チャンで埼玉へ遠征したんだけど、そのいずれの試合も4失点で完敗、のみならず、ゲーム内容もフルボッコ!!もうね、帰りの高速では死にたくなるも死にきれず、結局、安達太良PAで「ショウガ焼き定食・ラーメン・フルーツポンチ・コーヒー」という“死にそうになるくらいのドカ喰い”をし、国見PAで“死にそうになるくらいゲロ”をしました。辛かったよ、ラーメンって、ゲロる時、大変なんだね。

さて、昨年のような結果と試合内容なら、入場者数がワーストになるのも納得します。そうなると相対的に「入場料、交通費、飲食費、グッズ購入などによる直接効果が前年比減」になるのも道理。問題は、それらの対応策です。チームは様々な戦略を試みており、その姿勢は評価してます。まだまだ結果は出てませんが、トライ&エラーを繰り返さないと、真の意味で解決策は見えません。

学割の1000円チケットも、エキサイティングシートの販売も、仙台市に転入してきた方々を招待する企画だって、手をこまねいて何もせず“座して死を待つ”よりも余程いいはずです。しかし、これらの戦略が起爆剤にならない(もしくは、なりにくい)ことは、ここ数年の経験で何気に分かってきました。厳密に言えば、起爆剤にはなるかもしれないんだけど、そこから導火線に火がつき、ドッカン!!ドッカン!!と爆発しないところが辛いんだよね。じゃあ、万策は尽きてしまったのでしょうか?

経済学を勉強してなくても、商品が売れるスピードが早いほど企業経営はラクになる事は分かります。これを、経営用語ではキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)と呼びます。

話が脱線してしまうが、CCCと言われると、ベガルタンは浅香唯の、この曲を思い出さずにはいられません。大学の講義でも、先生が「このCCCによって・・・」と話せば、条件反射的に、ベガルタンは心の中でこの曲を口ずさんでいました。ゼミの高藤先生、本当にすみませんでした。

ここでは、知ったかぶりをしないで簡易的な説明に留めるものの、このキャッシュコンバージョンサイクルが長いほど企業が現金回収に時間がかかっていることを指し、少なければ現金回収に時間はかかっておらず、マイナスならば売る前に現金を得ていることになります。つまり、入場料収入がチーム運営の骨格である仙台にとっては、年チケの販売拡大はCCC的に考えれば、最良の戦略ということですな。だって、試合をする前に、金が入ってくるんだよ?こんな美味しい話は無いよね。


ということは、仙台の限りある人的・財務的な経営資源を、この「年チケ販売拡大作戦」に集中投資することこそ、最も効果的な経営戦略となりえる・・・と言う結論になるのです。別に1000円チケット販売戦略を否定はしません。そういった小規模な戦略を採りつつも、もっとも効果があり、かつ、最良の経営戦略に対して経営資源を集中するべき時に来ているとベガルタンは考えております。具体的な個別の戦略は、明日に続きます。

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