2013年6月26日水曜日

昨日の続き

サポーターとすれば“最後までチームを信じ、決して優勝は諦めない”という姿勢は大切です。ましてや今は6月、例え勝ち点差が15あろうとも、“もう、諦めるしかないよな・・・”というスタンスに入る必然性は全くありません。ただし、同じようなメンバー構成で戦って勝ち得た昨年の順位や勝ち点に及ばない以上、“昨年よりも厳しいリーグ戦が我々を待ちうけている”と言う覚悟というか認識は必要でしょうな。現実的に、「今年は大丈夫だといいよなぁ~~」という希望的観測が、ことごとく打ち破られている“苦手な夏場”に連戦が組まれている以上、温かいサポーター目線での期待感は厳に慎む姿勢は肝要です。

普段は“ポジティブサポーターの会・会長”の肩書きを持つベガルタンではありますが、今回は良い意味でリスクヘッジ(意地悪な人からすればネガティブとも受け取れる)したサポーター的視点を、入場者数の増減とリンクさせながら書き込むとします。

チームは後半戦の年チケの販売をしています。オフシャルのHPを覗くと・・・
「SOCIO CLUB GOLD 2013 年間チケットハーフ」受付期間延長!
現在販売中の「SOCIO CLUB GOLD 2013 年間チケットハーフ」ですが、
好評につき販売期間を6月30日(日)まで延長させていただくこととなりました。

まあね、本当に好評で「売れて売れてしょうがない、嬉しい悲鳴だよ・・」という状況なのか、それとも「これしか売れないとは・・・予定数を捌く為にも延長しかないな・・・」のどちらかは推測の域を出ないけど、「昨年対比-15%の観客数減」という現実を踏まえれば、おそらくは後者なんでしょうな。これで首位を走っていて、優勝も確実に狙えそう・・という状況ならば「どれ、年チケでも買っておくか」という心境にもなるんだけど、今の状況では積極的に年チケを購入する理由を探すのは大変です。

ベガルタにとって入場料収入は、チームの根幹を支える重要な資金です。その数字が「昨年対比-15%の観客数減」であるのなら、チームの運営資金も「昨年対比-15%減」となります。もちろん、これではヤバいので、チームは小口のスポンサーを集めたり、新たなスポンサーの獲得、さらには積極的に選手をレンタルし、レンタル収入を増加すべく頑張って、不足分を補おうとしています。しかし、アベノミクス効果がまだ薄い仙台では、中々思うように資金が集まりません。なのでチームは、その資金を集めるべく、“2013 年間チケットハーフ”の販売の継続をリリースしました。しかし、その大事な運営資金を集める際の公式な説明が・・・

「SOCIO CLUB GOLD 2013 年間チケットハーフ」受付期間延長!

現在販売中の「SOCIO CLUB GOLD 2013 年間チケットハーフ」ですが、好評につき販売期間を6月30日(日)まで延長させていただくこととなりました。
だけです。これで、本当に一般顧客の販売意欲を、くすぐる事が出来ると思っているのでしょうか?

本来ならば、このように大切な資金を集める際には、社長が全面的に表へ出て
1.ハーフチケットを売り出した理由
2.ハーフチケットの魅力やメリットの説明
3.チームの現状と、今後の展望の説明(例えば補強)

などのプレゼンがあり、顧客に対して盛大に利点(プレミアム感)をアピールするはずです。しかし、現状では、そんな説明は微塵もありません。まあね、今期も黒字予想だから、会社としても、そんなに切迫感は無いのかもしれませんな。

新規顧客を獲得するためには、絶対的に「購買意欲をくすぐるようなプレミア感」を提示しなければなりません。そして、そのことと「チームの目標設定」は絶対にリンクする事が必要です。例えば「優勝を狙っているから、多少無理をしてでも大型の助っ人を獲得する」みたな目標があり、そこへ向かっていくための資金を集める必要がある。そこで超お買い得なチケットを販売するに至った・・・・。つまり、政府が「増え続ける社会保障費以外には使いません!!」といって多くの人が納得せざるを得ない状況を作って、消費税のアップを敢行するような戦略がベガルタには必要だと思うのです。

続く



2013年6月25日火曜日

ベガルタン、新たな目標を設定す!!


株主総会やら第1四半期の総括などの激務がようやく終わり、こうやってブログを書き込む時間が取れるようになりました・・・暇っていいね。さて、ベガルタの方はと言えば、ナビスコでは川崎に敗れ、結果的に林も退場。大切な中断明けのスタートでしたが、良い流れでシーズンのリスタートをきる事は困難なようです。そこで大切なのは、チームやサポーターの現状認識と、それらを踏まえた「新たな目標設定」の確立であります。これはどこの会社でも同じだと思うんだけど、年度の目標設定が著しく苦しくなった時や、実績予想が大幅に下方修正しなければならない時、上場している会社ならば絶対に記者会見を開き、現状の報告と新たな実績予想を公表しなければなりません。適切な情報の公開は、上場している会社にとって株主との信頼関係を築く上で絶対的なマストアイテムだからね。

ベガルタの場合で言えば、株式会社なんだけど、株式を上場している訳ではないので、現時点でベガルタの株を保有している株主以外に、とりたてて現状を説明する義務を有しているとは言えません。しかしなから、仙台市や宮城県などから公的な資金は流れているので、仙台市民に対しては、常に詳細な情報公開は必要だと思うんだけど、出てくる話題と言えば「今期の決算も黒字の予想・・・」みたいな財務の話題や、「チーム所有の専用練習場が出来ます・・」みたいな庶務関連の話題が殆どで、チームの現状に関する話題などは微塵もありません。ベガルタンはこれが不満です。チームとして、監督や社長はシーズンが始まる前に、我々サポーターの前で「J1のリーグ戦で戦う目標は優勝だ」と語っていました。そして、他の目標としてカップ戦などを含むタイトルの奪取!!も語っており、その言葉を聞いた我々サポーターは「今年も、胸躍るシーズンが始まるよ・・・」との思いを強く持ったものです。

しかしながら現状はと言えば、リーグ戦では1位大宮とは勝ち点差「15」話されての10位。ACL圏内の3位マリノスでさえ、勝ち点差で「10」も話されております。もちろん、ここから連勝を重ねれば優勝だって・・・という気持ちはベガサポとして捨ててはなりませんが、現実として「勝ち点差15」は非常に厳しい現実です。だとしたら、チームとしてもサポーターとしても、現状を踏まえた「新たな目標設定」を積極的に公表するべきではないのか?というのが今日の書き込みの趣旨であります。

シーズン始まる前の目標は、誰が考えても「優勝」しかありません。4位⇒2位と来て、今年の目標は「トップ10です」という訳にはいきませんから。しかし、現状から「新たな目標設定」を立てるとしたら、「それでも目標は優勝!!」となるのでしょうか?ベガルタン的には「そこはそれ、信ずる者は救われる・・・の世界だから、選手たちを信じるしかないんじゃあ・・・」とは思うんだけど、冷静に考えれば厳しいんだろうな・・・との思いが頭の片隅にはあります。シーズン途中の大型補強がなく、現状の戦力のみで残りのシーズンを戦った場合、仙台が7連勝とか、8連勝とかする確率はベガルタンが合コンに出席してナンパに成功する確率ぐらいに低い事は何気に分かっているからね。

仮にベガルタの株式が公開されており、不特定多数の投資家から融資を受けている状況で、株主から「現状の認識と目標設定した予想実績の出来・不出来」の質問を受けた場合、チームのフロントやアナリスト(この場合で言えばサッカー解説者)たちは、どのように答えるのでしょうか?1位との勝ち点差、3位との勝ち点差、降格圏内との勝ち点差、シーズン途中での補強の有無、現有戦力の故障者リスト・・・等々、全てを考慮して、ベガルタに投資する価値があるのかないのか・・・。こんなレポートがあるのなら、是非とも熟読したいものだけど、チームとして後半戦のハーフシーズンチケットを売り出すのなら、現状を踏まえた「新たな目標設定」を公表すべきでしょうな。例えばこんな感じで・・・

白幡社長
8月末になっても、現在の順位や獲得した勝ち点に著しい伸びが無い場合、残りの10試合は残留争いにならない限り、若手や出番が少ない選手たちを積極的に起用することを手倉森監督と話し合い、合意に至りました。

記者「それは、今シーズンを捨てるということですか?サポーターに対する背信行為では?」

手倉森監督「捨てるのではありませんし、負けていいとも思っていません。ただ、現実的に優勝が厳しいのであれば、来期の為に「新たな目標設定」がチームの為には大切と感じたしだいです。サブや若手の出番が多くなっても、チーム力が大幅に下がる事は無いですし、試合のここ!!という場面では積極的に主力やベテランを起用して行こうと思っておりますので、意外と今よりも勝ちが拾えるのではないのか・・・とも思っております」

記者「シーズン前に立てた目標はどうなるのでしょうか?責任の回避じゃないですか?」

白幡社長「チーム不振の責任がフロントや社長に有るのは明白です。いずれ、責任に関しての(例えば減俸など)オフシャルなコメントは出します。そのうえで、チームが成長する為にはどうしたらいいのか?どうすればいいのか?を熟慮した結果、チームの目標設定を優勝ではなく、トップ10へ下方修正することにしました」

記者「それをサポーターや株主が納得すると思っているのですか?」

白幡社長「それは我々の丁寧な説明と、今後のチーム状況が良くなって行くことでご納得していただきたいと・・・」

明日へ続く

2013年6月24日月曜日

川崎戦

ん~~、勝てなかった・・というよりは、どちらかと言えば「ロスタイムに1点獲って良かった」という事象の方にベガサポはフォーカスしているようですな。確かに、あの松下のゴールが無かったら、この試合でベガサポが得ようとしていた“実利”や“歓喜”などは微塵もなく、暗い気持ちで1週間を過ごさねばならないはずです。あのロスタイムのゴールは、そんな暗い気持ちという名のゲート前でうろうろしていたベガサポの魂を、希望という名のゲートに気づく標識のような役割を演じてくれました。可能ならば、ホームで勝って、せっかく見えて来た希望という名のゲート(ベスト4進出)を突破したいものです。



前半も後半も、何気にボールを回していたような気もします。川崎が、どのような戦術で仙台に対しようとしていたかは分かりませんけど、ボールに対するプレッシャーも厳しくは無く、程良い感じでパスは回せていました。しかし、「ゴールの匂いに直結するようなパスってあったっけ??」と問われれば、後半の蜂須賀⇒赤嶺のヘッドくらいだったような気もします。松下のゴールは、どちらかと言えば“パスを回して崩したのではなく、少ない人数で可能な限りのラストパワープレーが功を奏した結果”でしょうな。ラッキーと言えばラッキーでしょうが、ラッキーも実力のうちと考えれば、多少は気持ちが楽になります。

この試合は、悪い意味でレフリーが目立つ試合でしたが、ベガルタンの持論としては「良い審判であろうと悪い心配であろうと、結局は強いチームが勝つ」という信念があるので、その意味では「勝ちきれない仙台の方が弱いんだな」との思いはあります。先制されたシーンも、あのPKのシーンも、結果としてはショートカウンターを喰らう結果となりましたが、この日の仙台は最後までラインの高さ維持しながら効果的に守れていたことを、私たちは川崎が喰らったオフサイドの数で確認する事が可能です。後半も中盤を過ぎれば体力的にタイトとなり、均整がとれたラインを維持するのは困難なはずですが、この日の仙台は後半の終盤近くまで川崎をオフサイドのトラップに引っ掛けていました。両方の失点に鎌田が絡んでいたことに対して、ネット上で「鎌田は要らねー!!」みたいに言う方の心情は理解しますが、それ以外の場面を冷静に振り返れば「まずまずじゃねーの?」という結論を導き出すのに違和感を覚える人はマイノリティーだと思っています。

大久保、レナト、小林という、決して体格的には恵まれて無い前線の選手たちにとって、ラインを高めに設定して守ろうとする仙台の戦術は決して不得意ではなく、どちらかと言えば“よっしゃ、ここは一発裏でも取ってやろう”と逆にモチベーションは上がるはずです。しかし、そう分かっていても、これまでと同様に、いや、今まで以上にラインを高く保とうとしていた仙台の選手たちを観て、ベガルタンは「昇格した年はドン引きで残留し、2年目はそれよりも高いラインのハイプレッシャーで4位、3年目は高く維持する時と自陣深く戻るメリハリ型でチャレンジして2位となって、4年目の今年は2トップと3トップを併用しつつ、結果は出ないながらも「よりボールをポゼッションしながら崩す」ことにも挑戦・・・これだけ確実にチームの進化(進歩)が見れるチームも珍しいよ」と思っていました。

プロなんだから結果が全て!!に異論はありません。しかし、仙台が「常に結果を出し続けなければならないビッグチーム」ではない以上、結果と同じくらい“チーム進化のプロセス”を楽しむ余裕は必要です。前回のワールドカップ予選の時、我々は入れ替え戦で敗れて奈落の底へ落ち、さらにリャンなどの主力選手の退団に怯え、チーム崩壊へのプロセスゲートの前に立ちすくんでいました。しかし、そこからの5年は、ベガサポとして成長する為の濃密な時間となり、チームとしてもサポーターとしても大きく成長していることを感じられた時を過ごせたはずです。今までの5年間の成長スピードを、これからの5年間も維持して欲しいと願うのはサポーターの我が侭であり、そんな事は不可能に近いと気づいた時、今ベガルタが苦しんでいる現状を温かい目で見守ることが可能となります。

残留して、4位となって、2位となってACLにも出て、タイトルを取って、ACLでも勝ち進んで、世界クラブ選手権にも出て、バルサやバイエルンとも互角に戦う・・・・。確かに理想でしょうが、仙台の予算規模でそこまで望むのは、風車に突っ込んで言ったドン・キホーテと同じくらい無謀です。今年はACLで得難い経験を積んだんだから、リーグ戦で苦しくても我慢するしかないよ・・・これがベガルタンの率直な気持ちです。この5年間で、仙台の推進力の源であった“バネ”は伸びきってしまいました。再び、原動力とする為には、バネのネジを“ある一定の時間を掛け”て巻き戻さなければなりません。階段だって、植物の節だって、安定して成長する為には一定の「踊り場的な“ゆとり”」は絶対に必要です。ひょっとしたら、仙台にとって今年は、その年になる事を覚悟しつつ、後半戦の闘いを見守る事を誓ったベガルタンでした。

2013年6月14日金曜日

2ステージ制を満足度ランキングとリンクさせ考える

チョット前に、ネットでJ1総合満足度ランキングなる者がある事を知った。これは慶大理工学部の鈴木秀男教授が、「プロ野球のサービスに関する調査」(9日付け本紙掲載)と並行し、昨年から実施している「Jリーグクラブのサービスに関する満足度調査」なるものであります。そのデータに、観客数の増減を加味して、仕事中ではありますが、これまた既成事実化されようとしている「来季からの2ステージ制を復活」をリンクして考えてみますかな。まず、議論の前提となるべきデータは、こんな感じです・・・。

満足度ランキング

1位・仙台    10位・F東京
2位・鳥栖    11位・名古屋
3位・広島    12位・磐田
4位・浦和    13位・大宮
5位・柏     14位・横浜M
6位・鹿島    15位・新潟
7位・C大阪   16位・G大阪
8位・川崎    17位・神戸
9位・清水    18位・札幌
となります。何気に仙台が1位ですか・・・悪い気はしません。これまた何気ですが、実際の1~4位の順位、そして16位~18位の順位との満足度ランキングの順位も略同じというところも興味深いところです。これだけを見たら「順位が良ければサポーターは満足し、悪いと不満足になる傾向が顕著だ。よって、最終的な満足度は、チームの試合内容やサービス内容には大きく影響されず、試合結果と順位が最大の関心事である可能性が高い」という推論が成り立ちます。誰しも、システム・戦術・戦略を駆使し、華麗なるパスワークで相手ディフェンダーを切り裂き、怒涛のようなゴールラッシュ!!が理想であります。どのチームもバルサやマンUやバイエルンのようなチームを目指しているのでしょうが、その理想と現実の狭間で多くのチームが苦しんでおり、その苦しみから逃れる術を模索しているのでしょう。例え、答えなど永久に出ないと分かっていても・・・。プロもサポも結果が全て・・・まあ、そうなんでしょうな。

次は、それぞれのチームの平均観客数と観客数の増減(対前年比)のデータを、上記のデータに加えます。
1位・仙台(14,135人 -15%)  10位・F東京(22,674人  -5%)
2位・鳥栖(10,005人 -17%)  11位・名古屋(14,867人 -13%)
3位・広島(14,137人 -20%)  12位・磐田(9,506人   -28%)
4位・浦和(36,003人   2%)  13位・大宮(11,762人   11%)
5位・柏 (13,985人   2%)  14位・横浜M(25,952人  13%)
6位・鹿島(13,376人   0%)  15位・新潟(25,868人    3%)
7位・C大阪(16,948人  0%)  16位・G大阪(12,427人 -16%)
8位・川崎(15,857人 -11%)  17位・神戸(11,054人  -24%)
9位・清水(14,406人  -5%)  18位・札幌(10,271人  -14%)

ふむふむ、これは露骨ですなぁ~~、大宮や横浜などの上位チームが大幅に増加しており、神戸やガンバや札幌はJ2なのでしょうがないとしても大幅に減少・・・分かりやすいと言えば分かりやすいデータです。それと、鳥栖・仙台・磐田・名古屋などの減少は、チームの成績からも妥当なんでしょうな。ただ、磐田の-28%は異常です。ベガルタン的には、「サッカー王国と言われたことがある地域のサポーターなんだから、きっと、個々のサポートも、チームの成績などには関係なく、熱く・ブレ無いモノなんだろうなぁ~~」と思っていましたが、どうやらそれは勘違いでした。王国と呼ばれた事がある地域のサポーターであれ、一時代を作った栄光あるチームのサポーターであれ、結局は「強いから、勝つから好きだった・・・観に行った・・・弱いチームにゃ興味なし!!」のでしょうな。負け続けるチームには興味が無くなることを、これらのデータは如実に語っています。それと、広島サポは燃えつきたのでしょうか?今の順位とは明らかに反比例している観客数の現実を踏まえれば、どう考えてもバーンアウトというワードしか思い浮かびません。

仙台もそうですが、多くのチームで「観客数の減少」に頭を痛めています。当然、その悩みはリーグも共有しており、何とかしなきゃダメだ・・・という議論の末に打ち出した解答が「来季からの2ステージ制を復活」なのでしょうな。スポニチによれば・・・

Jリーグは来季から2ステージ制を復活させる方針であることが判明した。観客動員数低下に危機感を持つJリーグは04年以来となる2ステージ制を起爆剤とする構え。前期と後期の王者によるチャンピオンシップを復活させ新たな冠スポンサーの獲得、地上波の放映権料などで収入増を図る。収入は各クラブへ分配されるという。だが浦和など一部クラブは断固反対の姿勢。欧州主要リーグは1シーズン制が主流。関係者によればサポーターは7対3で反対が多数を占める・・・ということでした。

メリットよりも、デメリットの方が目立つ場合が出て来た経緯で廃止した「シーズン2ステージ制」をリーグが推進しようとする理由と、多くのチームが観客動員数で苦戦している事象とを結びつけるのは極めて自然です。これらの事象を克服する王道は、誰が考えても「各チームが今よりも切磋琢磨し、己のチーム力を上げ、高いレベルで優勝争い(ACL出場権争い、もしくは残留争い)を数多くのチームで競うこと・・・」であるはずですが、これらは全て理想論なのでしょうな。結果として、観客数増加の処方箋(アイデア)の数は少なく、何もやらないよりは・・・何も行動を起こさないよりは・・・そんでもって現状維持よりはいいだろう・・・という理論の元、Jリーグは来季から2ステージ制を採用するようです。優勝争いを意図的に多く作れるし、メディアにも取り上げられるし、実力が劣るチームでも17試合という短期決戦だからひょっとしたら・・。この“毒リンゴ(毒かどうかはデメリットをどう考えるかによる)”の魔力は強烈ですな。

いくら観客数減少の処方箋が無いとは言え、ここで問題なのは“2シーズン制”はリーグを活況させる王道ではないと言うことです。観客数の減少は、貧乏チームにとって死活問題であり、リーグとしても“何らかの手”は打たねばなりません。しかし、目の前の果実(2ステージ制のメリット)にばかり目が行ってしまうと、真の意味でJリーグが盛り上がる事はないはずです。意図的に優勝争いを数多く作る、それをメディアが取り上げる、結果として観客数の増加が見込める・・・。確かに、そうかもしれません。ただし、その為には数多く指摘されているデメリットも受け入れねばなりません。そのデメリットが大き過ぎると考えているので、ベガルタンは2ステージ制に反対であります。

2013年6月13日木曜日

欧州型シーズン制移行準備へ…夏開幕に想う


基本的に、ベガルタンはお気楽サポなので、ベガルタ以外の話題には無関心です。でありますから、毎年のように湧いて出てくる「シーズン制の移行」といった、ディープな話題に関しても「我関せず・・」といったスタンスを貫いて来ました。その根底には「積雪ではなく豪雪とも言える“甘っちょろい気候”じゃない地域のチームが存在している以上、絶対に移行など不可能なはずだ」という考えがあるからです。いくらリーグ戦を1~2月は中断期にしようとも、12月や3月だって積雪ではなく豪雪が普通である地域のチーム(そのチームのサポ)からすれば、「えっ!?12月や3月に試合ぃ?無理無理、絶対に無理!!“スタジアムの雪かき”ぐらいは何とかサポの力を借りて何とかしても、日々の練習場の確保はどうすんの?スタジアムが地吹雪ツアー並みに寒い時に観客なんて集まんないって・・・第一、スタジアムまでのアクセツだって大変なんだから・・・」といった思いがあるのは当然ですな。

ベガルタンも当然「日本の気候を考えた場合にシーズン移行は無理だろうな・・・」と考えていたので、どんなに「Jリーグ、シーズン移行を検討!!」みたいなワードがネットで出ても、「またこの話題かよ・・・絶対に無理なのに・・・これじゃあ“夏のお化け”と同じだな」ぐらいにしか思いませんでした。しかしです、早めに出社して主要全国紙に目を通したら、どの新聞にも「Jリーグ、シーズン移行の準備に入る」みたいな記事が踊ってるじゃないですか!!どの記事も同じような感じなんだけど、とりあえず読売と産経から抜粋・・・

Jリーグは12日、J1、J2合同実行委員会を開き、開幕時期を夏とする欧州型シーズン制への移行を前提に、積雪地のクラブが冬季も練習やホーム戦を実施できるよう、環境整備などを進めることで合意した。移行時期は、欧州など世界の動向をみて判断するとした。27日の理事会に諮られる。移行時期を定められないのは、欧州各国リーグや、Jクラブも出場するアジアチャンピオンズリーグ(ACL)にもシーズン時期の変更を模索する動きがあるため。中西大介・Jリーグ競技・事業統括本部長は「移行の利点は確認された。準備はしなければならない」と語った。

サッカーのJリーグは12日、東京都内でJ1とJ2の合同実行委員会を開き、シーズンを現行の春開幕から欧州主要リーグに合わせて夏開幕に移行するメリットを確認し、移行を前提に準備を進めることで合意した。移行時期は未定だが、Jリーグの中西大介競技・事業統括本部長は「クラブと自治体だけでは対応できないので、日本サッカー協会とJリーグも協力して準備をしていきたい」と述べた。移行を進める最大の理由は、欧州に合わせて日程が組まれている国際カレンダーにある。中西本部長は「欧州が夏開幕を変える可能性は低く、ACLが国際カレンダーに合わせた日程で組まれてしまうと、Jリーグが現行の春開幕では破綻する。移行準備の最優先課題は、積雪地域などのプレー、観戦環境の整備になる」と話した。

ここで大切なポイントは、いずれの記事にも「移行を前提に」と明確に記載されていることでしょうな。これって、風俗の「ホテルへ行くことを前提に店外デートへ移行」と同じ意味だよね?とりあえず「また指名するから・・」とか「ボトル入れるから・・」とか「後輩にも君を指名するように言っておくから・・」みたいな甘言を使って、とにかく強引にでもいいから外へ連れ出しちゃえば・・・と同じ理論じゃないかぁぁぁ!!リーグ側も選手たちもメディアも、そして我々観客側も、“移行準備の最優先課題は、積雪地域などのプレー、観戦環境の整備”という事は理解しているはずです。しかしながら、雪は絶対に降る、という前提がある以上、「積雪地域などのプレー、観戦環境の整備はどうすればいいのか?」との問いに、誰もが納得する答えが出る事など不可能なはずです。だけど、リーグ側は誰しもが納得する答えを留保したまま、シーズン移行を突き進めようとしています。これは誰が考えてもアンフェアでしょうな。

この“まずは外堀りを埋めちゃおう作戦!!”は、ある意味掟破りですが、リーグ側の主張自体は極めてノーマルとも言えます。リーグ側の中西氏は、「国際カレンダーを長期視点から見ると、どうしても移行せざるを得ない」と語っており、デメリットを承知なうえで、メリットを次のように語っております。

西欧州の主要なリーグに日程を合わせることで、海外へ移籍しやすくなる。
国際カレンダーに対応しやすく、日本代表の強化にも繋げられる。
高温多湿の夏季を避けやすくなり、選手や審判の消耗の軽減。
ワールドカップ予選や、ACLとJリーグの日程調整がやりやすい。

ふむふむ、確かに正論と言えば正論です。しかし、現時点でリーグ側が移行準備の最優先課題としている「積雪地域などのプレー、観戦環境の整備がどうなるか?」との不安や疑問に対して、ある程度納得できる解答が無い以上、この問題を看過する事など出来ません。現時点では、無理ですな。