2012年10月3日水曜日

ベガルタン、御三家サポをなだめる!!2

確認するまでもないが、“社内サポーターズミーティング会”とはオフシーズンに飲み会を開く為の口実作りのようなものであり、もっとハッキリ言えば「暇つぶし」の会である。それなのに、今年会長である豊嶋課長は、会の冒頭で「会長職を辞したい・・・」と懇願してきたのだ。一体、彼はどのような心境に至り、そして、会長を辞したいとまで思うようになったのか・・・。

ベガルタン「おいおい、急にどうしたんだよ?」

豊嶋課長「苦しいんです・・・試合を観るのが。辛いんです、試合当日の朝が・・・。滅入るんです、試合結果に・・・。今までなら、楽しみで楽しみでしょうがなかった試合当日の朝の「ワクワク感」が、今では不安で不安で、どうしようもない「ハラハラ感」に変わり、スタジアムへ行くのが恐くなっていく・・・。そして考えることと言えば「ああーー、今日負けて、新潟や大宮が勝ったら・・・」みたいにネガティブなものばかり。そんな毎日を過ごしていたら、体調まで崩しちゃって・・・」

確かに、若手ガンバサポの豊嶋課長にとって「残留争い」は初体験で辛いものかもしれないが、リーグ創生期まで遡れば決して強豪チームではなく「Jリーグのお荷物」とまで言われていた過去もあったと聞く。彼がガンバサポのベテランであれば「あの頃の経験」が生きるのであろうが、残念ながら彼がサポーターになったのは、ガンバが常にタイトル争いをするようになってからであり、それだけに今年の状況に対しての「免疫」は全くと言っていいほど無いのであろう。つまり、豊嶋課長は“タイトル争いの厳しさ”に対しての免疫は持っていたのだが、“残留争いの過酷さ”に対しての免疫は持っておらず、そんな状況で「いきなり残留争い」という局面を身体全体で受け止めなくてはならなくなったので、体も心も病んでしまったのであろう。そんな彼を心配したのか、草津サポの杉浦君が励ました。

草津サポの杉浦君「心配する気持ちはわかるけど、大丈夫だって。ここに居る全員が、ガンバが降格する事なんて思っちゃいないし、君が思っている程弱くは無いよ、ガンバは。信じて応援すれば、大丈夫だって・・・」

東京サポの渡辺君「俺たちも、信じて応援してたけど、結果は・・・・」

大宮サポの小川君「止めろよ、不安を煽ってもしょうがないだろ?豊嶋君、結果は後からついてくるだけだから、必要以上にナーバスとなっても良い事無いよ」

一同「おおー、さすがは残留争いベテラン、いいこと言うよなぁ~~」

札幌サポの上杉君「僕なんかから言わせれば、ガンバさんなんて「かなり有力な希望」が残っているだけで全然問題なし。うちなんて、週末に負けたら「リーグ史上最速で降格決定の可能性も!?」ですよ?豊嶋課長が受けているプレッシャーなんて、僕らから言わせたら「台風通過後の暖かい南風」ぐらいですって」

川崎サポの道上君「じゃあ、札幌サポが受けている風って?」

札幌サポの上杉君「猛吹雪のブリザード。視界はゼロメートル。奈落の底って感じですかね」

湘南サポの国吉君「J2に来ると、結構勝てるから、これはこれで楽しい時もあるから安心して落ちてきて、奈落の底に。でも、僕たち昇格しちゃう予定なんで、戦えないかもしれないけどね」

豊嶋課長を励ましていたら、話はそれにそれて、不幸自慢のよう会話になってきた。J2サポ歴が長いベガサポからすれば、降格が決まった瞬間は「もう俺たちの人生は終わった・・・」的な絶望感が心を支配する事は否定できない。しかし、戦ってみると決してj2は「奈落の底」ではなく、そこにはJ1を目指して共に切磋琢磨する“仲間”との共闘があるだけだ。サポーター同士の関係も、どちらかと言えばJ1ではありがちな「何だこの野郎!!」的な殺伐とした雰囲気は無く、どのアウエー会場に言っても「遠路はるばるようこそ!!」的なフレンドリー感を得られる場合が多い。今年からは「J2⇒JFL」への降格もあるらしいが、今まではJ2からの降格は無く、その意味でもJ2で競い合うチームは、良い意味で「仲間」のようなイメージを抱くのは自分だけだろうか?

東京サポの渡辺君「俺は分かるよ、豊嶋課長の気持ち。周りから「東京は大丈夫だ」とか「ホーム最終戦で浦和が神戸に負けるはずはないよ」って言われれば言われるほど、不安になってくるんだよね。事実、降格が決まった最終戦当日の朝、俺、二日酔いでもないのに気分が悪くなって吐いたもん。そこから得た結論は、残留争いは優勝争いよりも“降格”という厳しい現実があるだけ“苛酷”だという事実だね。タイトル争いは「優勝か準優勝か」という名誉を争う戦いなのに、残留争いは「天国か地獄か」というプロのサッカー選手として“存在理由”を掛けた闘いなんだよね。別にJ2へ落ちたからって選手個人のスキルが落ちる訳じゃないけど、周りのレベルやチームを取り巻く環境のレベルは絶対に落ちる、当然、収入も落ちるだろうし、メディアなどへの露出も落ちる。そんな状況が分かっているからこそ、チームも選手も、そしてサポーターも降格が恐いんだよ」

ベガルタン「でっ、1年間J2戦ってみての感想は?」

東京サポの渡辺君「初めて行く場所も結構あったけど、どこのサポーターも温かかったですね。特に、鳥取はメッチャ、温かかった。」

甲府サポの長谷川君「悪くないっすよ、J2も。ただ、来年は昇格しちゃうけど」

福岡サポの稲田君「余裕だよな、甲府は・・・。羨ましいよ」

浦和サポの横川君「残留争いも降格もキツイんだけど、落ちて見ればJ2は地獄じゃ無かったよ、日程はタイトだけど」

降格の経験があるチームサポは、J2時代の話になると、どことなくセンチメンタルに浸る傾向があるけど、この場合大事なのは「如何にして豊嶋課長を励ますか?」である。

この続きはまた明日

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