2012年3月12日月曜日

鹿島戦に想う

えーと、勝ちましたな。正直言うと、先制した直後は「このまま0-0では、いかんだろうな・・」と思っていましたが、何とか守りきってくれてよかったです。前半や先制するまでは、素人目にもハッキリと分かるくらいにラインが高かったようですが、先制してからは昨年同様の「ブロックを組んでのカウンター狙い」にシフトチェンジ。どうやら今年の戦術は、どんな時でも常に高いラインを設定する訳ではなく、状況・状況に応じての柔軟に富んだフレキシブルな物のようです。鹿島の大迫は試合後「相手は引いてカウンターを狙ってきていた」とコメントしていたようですが、単なる「ドン引きサッカー」で鹿島に勝てない事は、昨年の敗戦によって私たちは経験しています。ここからも、仙台のサッカーが「昨年とは若干違うのではないか?」という推論が成立します。

もちろん、このように考えるには「今年の鹿島は昨年同様の力がある」という前提がなければならず「新監督・メンバーの加入と退団・連携」などを考えれば、鹿島に昨年同様のスキルがあるかどうかは極めて疑わしいのが現実でしょう。そして冷静に仙台のスキルを考えれば、極端にチームのレベルが上がっているとは思えないものの、監督や主力選手の多くが残った事により、少なくても「昨年のチーム力より向上しているという確信は無いものの、してそうな気がするし、少なくとも進化はしている」と思うことはできますな。

個人的に、昨年最も大きい挫折感を味わったのが0-3で敗れた鹿島戦でした。鹿島まで車を飛ばし、意気揚々とスタジアムに乗り込んだものの、その試合内容と言えばスコアー以上にチンチンにされ、何もさせてもらえないと言う完敗でした。そんな相手と開幕戦で闘うと言う事が分かった時、ベガルタンは勝敗を気にする以上に「開幕戦で鹿島かぁ~~、ヘタをすれば、この試合内容で今年のシーズンを占えるかもな・・・」と思ったものです。そして、その試合内容を観戦しての率直な想いは「新たな戦術の浸透や連携などに関して言えば、互いに不満がある事は開幕戦なのでしょうがない。そんな状況でも、耐えて凌いでセットプレーからの一発で勝ち切れるようになった事は「進化」と言えるのではないか・・・」といったものでした。

例年であれば、あのような試合内容でもワンチャンスを生かして勝ち切るのが「鹿島」というチームだったはずです。しかし公式なデータによれば、この試合のシュート数は仙台の方が多く、ここからも「仙台が単にドン引きしていた訳ではない」と言う事が分かります。ドン引きしているチームの方が、シュート数が多いだなんて普通なら考えられませんから。監督も試合後「先制した後は、前掛かりに来る鹿島に対し、ブロックを組んでカウンターを狙えばいいし、その中でも松下を投入して、ゲームをある程度コントロールする事が出来たのではないか・・・」と語っています。実際の試合内容と言えば、先制直後からは素人目にも「鹿島のプレッシャーが厳しくなり、押し込まれる時間が長くなってきた」と言う事は分かりましたが、そんな展開も含めて、監督や選手からすれば「ゲームコントロール」だったのかもしれませんな。

ゲーム内容が苦しくても、押し込まれる時間が長くても、それら全てを含めて90分という試合時間をコントロールする。攻撃においても守備においても、ある程度のリスクを取りながらもコントロールする。負けている時も勝っている時も、それぞれの局面を考慮してコントロールする。今年の仙台が昨年よりも強いかどうかは分かりませんが、少なくても一昨日の試合を見た限りでは「昨年よりは試合をコントロールする力はついた」と思えます。得点力不足は昨年同様のような気もするし、ウイルソンなどの新加入した選手たちとの連携もマダマダのような気もするし、フィジカルにタイトな攻撃的な守備を一年通じてやれるかどうかは分からないけど、鹿島戦を見ての感想は「そのような状況でも、ある程度は試合をコントロールする事は出来るんじゃないか・・」といったものです。この感想が正しとするならば、仙台の進化は確実にステップアップしていることになります。

昨年勝てなかった鹿島に勝ったことで、少なからず選手たちや我々サポーターは「手ごたえ」を感じています。しかし、その「手ごたえ」が本物か否かは、年末にならないと分かりません。開幕直後からの数試合は、どのチームだって手探りの部分は有ります。ACLに出ているチームはスケジュールもタイトですし、監督や選手が大幅に代わったチームは連携などで苦労するのが一般的です。でも、仙台には、そのような苦労は有りません。ということは、苦しんでいるチームには無いアドバンテージがあると言う事になります。このアドバンテージ、生かしたいですな。

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